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カエルのケロケロレポート 2000年5月×日
森岡正博・脳死臓器移植講演会

 
 
*はじめに*

 森岡さんの講演会が行われるとの極秘情報をゲットしたカエル。もちろん行ってきましたよ。5月*日。某所。どんな人が来てるんでしょ?周りを見渡してみましょう。なんかみなさん、いい背広を着てますねえ。でもちょっと消毒液くさい?一方で森岡さんはいたってラフなかっこう。Tシャツに黒い上着に若者チックなベージュズボン。あれれ、なんか森岡さん若い?っていうか若ぶってる(笑)?そういえば宮台さんも、最近の雑誌の写真で髪の毛金髪で、サングラスは完全に「マトリックス」意識だったし。森岡さんの世代ってやっぱ、いわゆるオヤジじゃないのですね。ま、個人差あると思うけど。なあんて、しみじみ思ってたら講演会が始まりました。

 
 
 

 テーマはズバリ、「脳死臓器移植」なのですっ!カエルでもわかる脳死臓器移植!レッツ・レポート! 

 ではっ、森岡さんの講演をフローチャートで再現してみましょう。 

 ・ドキドキの導入部・ 
 慎重派と呼ばれている私。私自身、考えをもってはいるが、まだ考えているところ。このテーマは気分的は重い。反対はしているが、臓器移植をうけさせたい、うけたいという気持ちはよくわかるから。 
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・ふむふむの再確認・ 
 1997年に施行された現行の臓器移植法。そして3年後の今年2000年の10月に見直そうということになっている。ドナーカードにもあるとおり、現行法には3つのポイントがある。1,本人が脳死を死とし、2,本人の臓器提供の意思表示があり、3,家族が拒まない時。 

 でも、この3つは条件としてかなり厳しかった。そして大きな2つの問題がでてきた。1,臓器が全然でてこない。2,15歳未満からの子どもの臓器移植ができない。そこで今年、この2つの問題をクリアすべきだと言われている。つまり、家族の同意のみでいいというようにしよう。そして15歳未満の子どもの場合でも親が同意すればいい、ということにしよう。ということ。それが、この問題の背景。 

 そこでいま、私案というかたちで町野案(上智大学・刑法)が出ている。その対案として森岡案・丸山案(神戸大学・医事法学)が出ている。また私のHPでも激論が交わされていて、そこでてるてるさんという人が案を出している。町野案は本人の意思が不明な場合は家族の同意のみで。子どもに関してはすべて家族の同意でよい。丸山案は12歳未満の子どもに関しては本人が反対していない限り、家族の承諾でいい。大人は現行法どおり(でも丸山さんはまだこの意見を論文で正式発表はしてないらしい。だから、あくまでも中間報告の私案だそうです)。そして、私の案は大人の場合は現行法のままで、「子どもにも意見表明権を与えよ」ということ。15歳未満でもドナーカードを持てるということにすべき。子どもにも意志表示はできる。そしてそのカードには本人の意思と家族の承諾があるものがよい。6歳未満の場合はいかなる場合でもだめ。「論座」の論文ではここまで言わなかったが、この案でいこうかなと思っている。てるてるさんという人が案を出している。20歳以上は本人の意思だけで家族の意見には拒否権はない。そして、20歳未満の場合は本人and家族の同意。子どもについてはさらにくわしい規定をしています(生命学ページ参照)。 
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・にゃるほどの歴史・ 
 ここで、臓器移植法が成立した経緯を見る。 
 死体解剖保存法→解剖は遺族の承諾 
 角膜及び腎臓の移植に関する法律→遺族の承諾(があれば本人反対でもOKと読める) 
 献体法→本人意思or遺族同意 
 脳死臨調→本人意思and家族 
 臓器移植法案→本人意思or家族 
 このとき忖度(そんたく)論というのがでてきた。つまりandにするのかorにするのかということ。そして97年の臓器移植法はandです。政治的な冷めた見方をすれば、それを今回の見直しでorに戻そうということ。 
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 ・驚きの日本脳死議論・ 
 世界の臓器移植法はどうなっているかというと、一番多いのは町野案のタイプ。森岡案は欧米では受け入れがたい考え。でも賛同してくれている人もいる。実際、日本は世界的にみて脳死議論の水準が高いと思う。和田移植があったために、世界が移植をしていたときに日本は国民的議論をしていた。日本は30年間、最盛期では10年間、議論ばかりしてきた。一方でアメリカなどはすぐに決着をつけてしまった。 
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・でました!これぞ森岡的提言・ 
 以下の二つは日本だけでなく、世界的に議論すべきこと。これは世界に向かって言っていきたい。 
 1,推定の危険性
 脳死を死としていない人が脳死になったとき、本人の意思に反して臓器をとられてしまう。欧米ではそれをある種社会的に許容されるリスクとしてやっているのか?欧米ではその議論をしてこなかったのではないか。社会的リスクとして割り切ろうとするなら、それはよいが、果たして国民的に合意しているのか?おそらく欧米は昔の、死体に価値がなかった思想を引きずっている。しかし、今は死体に価値が生まれた時代。死体は資源の宝庫であり、心臓死より脳死の方が価値が高いとされている。 
 2,子どもの意見表明
 意志表示ができない人から、臓器をとっていいのだろうか?子どもの意見を聞くということをなぜ欧米ではしないのか? 

 私の意見は世界からみて常識に反してる。しかし、私は世界の常識を疑いたい。余ってしまった受精卵は受精後14日以内なら実験に利用してもいいとされてる。しかし、それを厳しく取り締まったのがドイツだ。なぜなら、人体実験のナチスドイツの経験があるから。その歴史があるから、その歴史を背負っているから、いくら受精卵といえども人ではないけれどもそれを実験利用してはいけない、とする。その国の歴史というものを避けて通れない。日本にとって避けて通れない歴史とは、和田移植。一番大きいファクターはやはり和田移植。いまだに彼は心臓移植のボスで、あの移植は間違っていないと言っている。あのとき法廷でキッチリかたをつけなかった。警察は起訴しなかった。うやむやにしてしまった。それがトラウマ。日本が世界の異端児となってゆくのであれば、その和田移植を直視すべきだ。日本の臓器移植が引き受けるべき原罪。本人の意思すら踏みにじられるのではないかという不安は和田移植からはじまっている、と私は思う。 
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・シメのお言葉・ 
 ドナーカードを普及させるときに、脳死の正しい知識も一緒に普及させるべき。なぜなら、脳死に対する一般的な人々の誤解は「脳死=植物状態」「脳死=治るときもある」の二つ。これではいけない。植物状態と脳死状態はまったく別物であって、竹内基準を満たしている脳死者で回復した人はいない。 
 

 レジュメが欲しかった!ってくらい、超濃密だった森岡さんの脳死臓器移植講演会。すっごく簡単にまとめちゃったけど、その濃密ぶりがレポートにでているのでしょうか、でていないのでしょうか、謎です。そんなこんなで今回のカエルレポートはこれでおしまい。読んでくれてありがとケロ。 

 ・行ってよかったケロケロ情報・ 
 どうやら森岡さんは町野さんと某誌上で対談するらしい(来月)。みなさん、期待しちゃいましょう。ケロケロ。 
 


 

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