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| 大天使エリス様 |


エリス様のインコの一声で、白コートの天使ちゃんが盾をキラキラと輝かせながら集まってきました。「ごくろうさま、私の天使ちゃんたち!」エリス様が天使ちゃんをねぎらっているあいだにも、方向を持った矢印の群れがキレイな方眼を描いて、強力な電磁場をつくりました。「ベクトル波を出すいたずら海さんには、これが効くのよ」。エリス様のおみ足が、ちょうどX座標とY座標の交点、すなわち電磁霊界にそっと触れています。

鍵は勇者にとっても、もちろん恋人たちにとっても、大切なアイテムです。そこで大天使エリス様は、ヘブライ語なまりのかわいい呪文をかけました。「エリ、エリ、キュイキュイ、ピピピピピ!」ピイたんこそ我が大いなる神、とこしえに栄えよという意味です。これで、この鍵は電子錠よりも安心構造になりました。鍵をかけた二人は一生離れることがないでしょう、たとえ本人たちが別離を望んだとしても。

大天使エリス様は、いたずらっぽく笑います。「これで知性を持った海さんも、手も足も出ないわ。だって、海さんの脳髄はこんなにインコでいっぱいになったわけだし、きゅきゅたんの電波も、インコシールのおかげで今日も元気よ。だから、地上の生命たちはこの海の中で今日もインコちゃんだったり、ウミウシちゃんだったり、そんなふうにきゅいきゅいしてるんだわ。最高ね」。何をおっしゃってるのだか、さっぱり分かりません。

「さて、そろそろこの地球にも、おいとましなくっちゃ」。エリス様はインコ文明に魂を売り渡したお人ですから、この地には長居できないのです。「私の惑星ではインコちゃんを売ることはできないわ。だってインコ様だからね」。そう言って、
キリストの誕生を祭るためにデコレートされたきらびやかなツリーの前で、堂々とインコ精神を誇示してみせるエリス様なのでした。背後では、色とりどりの電磁束が、エリス様の魂を虎視眈々と狙っています。