Ellis in Wonderland


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ロリータ、千鳥格子の午後



エリスの別荘は、もの思いに耽るのに、最適の午後。オランダの寡作画家の描く人物像みたいに、お外を眺めていたい気分なの。大好きな紅茶飴をお口に放り込んで、ベストセラーの啓蒙書を破り捨てましょ。いま、欲しいものは、いま、求められているものはやっぱりインコハウスよね。ハイクオリティ・アンド・ハイフライングのミーティングを開催するよ。レッツ・ゲット・スターティド・しゃべりば!


インコハウスの住人はまずお着替えをしなきゃいけないの。千鳥格子の春が来た。ウール100%のワンピースに袖を通すよ。黒と白の終局のない織り細工には、ハンバートとロリータが一掃したはずの前時代の倫理がまだ確実に存在するの。細い錦糸は遅々として進まない人生のようだけれど、控え目な少女も大の大人を欺く時があるよね。少女に振り回されてみたかったのは、誰だったっけ? たしかR・キャロルにJ・グリム&W・グリム兄弟のはずね。あまり興味はないのだけれど、少女代表として手に取ってみてもいいわ。


千鳥格子の秋が来た。少女もてんとう虫を探したり、コカ・コーラを飲んでばかりじゃいられないわ。夜で雨の首都高速湾岸線を走れたり、国会に座り込みできるくらい大人にならなきゃ、変わらなきゃ。変わらなくてもいいから、せめて羽化をはじめましょう。切り替えなしのシースルーストッキングにウエストのくびれた三ボタンのミニスーツ。足元は当然ピンヒール。だけど、平気よ。ここインコハウスには、ほんとのところ四季がないの。季節に応じた羽根の交代も必要なしということなのよ。それに気がつくまでに随分時間がかかったの。ほら、こんなにかわいいインコが、こっちを向いて笑ってる。白の網タイツも、黒のエナメルストラップシューズもまだまだ大活躍の予感なのよ!

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