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その2
おかしなことってあるものね。レコード盤から増幅される音楽や、車から噴き出すエンジンの音、それにインコの喉から溶け出すさえずりまでもが、街からすっかりなくなっちゃった。
誰かがこの街全体を、大きな壺の中に片づけちゃったみたいだわ。海の底というより、このかんじは壺の中ね。こんな時はおうちにいるより、お外に出た方が退屈しないはずなんだわ。エリスはね、インコよりも年が上なんですからね。もし途中で、獣医さんに会ったら、インコの声帯が本当に大丈夫かどうかを診てもらわなくちゃ。エリスはいつだってインコのお姉さんだもの。

すごい風!誰かが壺に息を吹き入れてるのね。おまけにこの人、泣いてるわ。どうして泣くの?何が悲しいと思うの?ねえ、お願いだから、泣くのは後にしてくれないかしら。雨がインコのお羽根に染み込んで、インコがお風邪をひいちゃうわ。今度必ず、この私があなたのお話をゆっくり聞いてあげるから、いまは泣きやんでちょうだいな。これでもエリス、すごく聞き上手で有名よ。うなずきのタイミングだって、受け答えの切り返しだって、とってもテキパキしているわ。だから、今すぐ泣きやんで!インコのお姉さんからのお願いよ。
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