Ellis in Wonderland


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アップルちゃん


おまたせ!わたしアップルちゃん。今日はみんなと握手会の日なんだけれど、なんだか面倒くさくなっちゃった。眠いわけでもすねてるわけでもないんです。ただちょこっとインコみたいに気まぐれなだけ。突然アップルパイが食べたくなるような、そんな気分がみんなもあるでしょ。そんなリンゴ畑のアップルなのよ。だけどわたし、アップルパイって食べたことないの。すっごくおいしいってホントかな?


急きょ予定を変更して、公園でキャンペーンをすることにしたの。ほんとはみつばちハッチがブンブン飛んでる初夏のリンゴ畑でやりたいのだけど、みんながアップル目当てに駆けつけて、ハッチがびっくりしちゃうでしょ。贅沢は言っていられないよね。


「お誘い合わせて来てみてインコ〜。新しくてちょっぴり切ないキャンペーンをやってるよ!黒ハト、白ハト、茶バトさん、みんなまとめてこっちにおいで。迷子の小鳥もいませんか〜?今ならアップルインコが、お世話しまーす。ポッポポ、ピヨピヨ、クルックー!」エリスの髪から、インコ電波が流れているよ。


でも、どうしましょ。ここに鳥さんが集まっちゃったら、押すな押すなのへし合いで、鳥パラダイスになっちゃうかもね。そしたら、世界の愛鳥さんに悪いよね。独り占めしちゃ悪いよね。もし鳥さんが集まりすぎたら、わたしここで知らんぷりしてるわ。何せ、鳥って陸海空を制覇してるでしょ。だからときどきいい気になるの。なれなれしくって困っちゃう。


実は、握手会がイヤな理由は他にもあるの。誰にも言わないって約束してね。あのね、わたしの手相が原因なのよ。わたしの生命線は、他の人の人生を吸収しちゃうみたいなの。だから、互いに目を見て「はじめましてアップルです」って言っても、相手を弱らせてしまうばかりなの。だから、この先10年間、アップルちゃんのスケジュール帳に、握手会の文字が踊ることはないと思うわ。

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