Ellis in Wonderland


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白いブーツのインコ姫

みんな知ってる? SPFの数字は高ければいいってものじゃないの。それより心配なのは、慢性的な光不足。特に雪のひらひら舞い降りる今年の冬は気をつけなくっちゃ。あ、天使を呼ぶ声かしら。トトン、トトン、トトン、トトン。インコ姫は柔らかな光のなか、久しぶりの日光浴だから、天使のお羽根もふわふわに溶けていっちゃったみたいね。

でも、本当は邪魔したくて邪魔してるわけじゃないのよね。悪魔は自分のこころの中、あるいはインコのお背中に潜んでるもの。他者を鳥かごに閉じこめて悪意による干渉からの逃走を図る暗黒兵士の総指揮官は、間違いなく自分のなかに巣くう鋭いインコのくちばしで、原材料が記されていないあやしいラベルを剥がしてしまうのよ。そして、光。新たなロマンティック=アンバランスな「インコ」のレッテルを貼ってしまうのは、とってもとってもグルーヴィー。とてもじゃないけれど真似できない、ものすごくかっこいい機械音をイメージソングに決定したけど、いまは小西くん。本当は佐藤くんにお願いしたかったけど、まあナイスチョイスな瞬間インコ。「インコ」は残酷なスティグマじゃなくて、一貫性と将来性を宿した一種のトリック、レトリック。重荷に思わないで欲しいけど、忘失されたら残念無念セキセイインコ。

エリスの声はアニメ声。ひとりひとりの耳元にささやくの。甘いインコのさえずりだもん、一度聞いたら忘れないでくれるって確信してる。インコ姫の醍醐味は、やっぱりトラペーズワンピースと白の膝丈エナメルブーツ。青赤白のトリコロールがJ・L・ゴダールね。ねえ、黄色いお羽根のインコちゃん、アンナ・カリーナ・エリスちゃんの肩に止まりにおいで。目指すは、憧れてやまないSIXTIES。ほらね、白いドットがトリップのあかしよ。

あ、トリップ失敗。水平飛行より、離着陸のほうが難しいことは知ってるでしょ。若鳥も最初はうまく飛べないもの。それと同じよ。遠くに見えるのは新緑の山々。ガラスを溶かしたように澄み切っているわ。悪霊退散、福は内。世界の安定はこころの平安。いつまでも普遍への誘惑に負けていてはだめだめインコ。そう、あのオカメインコでさえも、最初は、小さなリボンちゃん。松の枝に止まっていたぷっくりと、ぷっくりじゃないほうみたいに、まうーって言いながら、計り知れないバカンスを楽しんでみるの。なにはともあれ、色素を失った真っ白な小鳥が、エリスの足もとに舞い降りたということなのね。

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